伝えたいことを「知りたい形」に変換する
ただ絵にするのではなく、伝え方の工夫をした案件

デンソー労働組合

案件概要

ご相談頂いた内容

4万人の労働組合員の自立・自律をうながしたい。

”変化が大きい社会においても、変化を先取りし、WorkだけでなくLifeを自分たちが主体的に考え、行動していく集団になることを目指しています。
しかし、製造業の私たちは、社外に目を向けることが少なく、
また、その機会もなかなかないため、新たな価値観を受け入れにくい人が多いのも事実です。
そんな組合員に向けて、社会変化や社会課題を、より身近なものに感じてもらい、自立・自律して、自分が必要な情報を自分の足でキャッチするような施策を検討しております。”

ご希望の制作物

・LINEでの配信を希望

・ピクトグラムなどのキャッチーなイラストで社会課題を伝えるもの

案件の向き合い方

案件に対する疑問と課題

「この配信である必要性」を考える

社会課題を考えることは善いこととはわかっていながらも、素通りされやすい話題です。
そのまま希望通りの内容で配信していくと、他のSNSなどで配信されていることとの差別化もされないし、中身を読まないと読む意義に気づけないことが課題だと思いました。
読むきっかけがないと、これだけ社会問題が取り上げられている中でその話題を選択して読んでいない人たちが
「この配信を自ら選んで読む」とはならないのではないかと考えました。

ユーザーとのスキマを埋める分析

重要なのは「自分との距離感」という仮説

社会課題は、改善しなければいけないことは理解できますが、話の規模が大きすぎて自分がなにか動いても直接作用できるような話に感じられず、自分が行動する必要があるのかがいまいち分かりづらいのではないかと考えました。
自分との距離を近づけながら興味を持ってもらい、徐々に事が大きくなっていくことで社会課題が自分事であることを感じさせるような内容を目指しました。

コピーライターの意見「教師と無関心な生徒の関係」

新しい価値観を伝えていきたい労働組合を「教師」、
その価値観をまだ受け入れられない組合員を「無関心な生徒」と想像してみました。
最初は聞く耳を持たなかった無関心な生徒も、足しげく教師が通って同じ目線で話しかけ続けると、少しずつ心を開いていく。
自分の意見も少しずつ教師に話しかけるようになる。そういったゼロからの信頼構築が必要と思いました。
実際にコピーラーティングをしていく際も「今のままじゃいけない」という「説教」にも近いメッセージをどう本当に響かせる言葉にしていくか、その変換や話法について、とても思考しました。

制作過程

解決策

労働組合が率先して変わる姿勢を見せる

労働組合が率先して変わっている姿勢を見せるために「カワレル」のネーミング・タグライン・ロゴの開発と取組内容の告知を行いました。

配信内で必要なこと

「社会課題」はこのままでは危機的状況になる話が多いですが、毎回危機感を感じさせると読んでいて居心地の悪さを感じ、逆に目を背けてしまう可能性を感じました。
そこでただ単にアラートをかけるだけでなく、自分の生活圏内での活動に参加したり、参加すらもハードルが高ければ「考えてみる」だけでも少しずつ社会に貢献できることがわかるような内容にすることで「危機的だからやる」のではなく、「自分に必要だからやる」という意識をもたせられるように工夫しました。

例えば、、、

ユーザーが自ら選ぶしかけ

「自分の身近なこと」であることを意識しやすくするために配信内容にユーザーが自ら選ぶしかけとしてLINE配信のはじめに選択肢を用意。自分が興味があることを自分で選択して読めるスタイルを提案しました。

関わり方

週一回の定例MTGを行い、情報共有や意見交換、制作内容のご提案をコンスタントに行いました。

今後の展開

リサーチによる配信結果より

現状の成果

・LINEで配信されるその他の告知と比べて閲覧数が圧倒的に多い
・身近な話題として興味を持ちやすい内容と考えられる「お金」についての配信は閲覧数も多く、貯蓄関連の窓口への問い合わせが数件あった
問い合わせがこんなに来るのは初めてのケースとの報告をいただきました。

まだまだ試行錯誤中

新たな「知る」形を検討中

配信の仕方の再考、検討を重ねていくべく、リサーチでの閲覧やクリックの結果をクリエイティブ上に反映していく動きを検討中です。
また、この取組を生かした新たな施策も進行中です。

PROJECT

client
デンソー労働組合
launch
2022/6~
site
LINE配信
staff
  • Producer 飯田 淳介
  • Director 内山 凌
  • CreativeDirector/Planner 福田 静
  • Copywriter 堀田 祐介
  • Art Director/Designer 高波 真奈
  • Researcher 坂本結/山路 天音